敷島千鶴

プロフィール:

社会心理学、教育心理学、行動遺伝学を専門とした研究および教育活動を行っている。認知能力、意思決定、社会的態度、パーソナリティにおける個人差に寄与する要因を解明することを目的として、双生児とその両親を対象とした双生児研究、そして全国から無作為抽出された成人及びその家族を対象としたパネル調査研究を行い、個人の社会化に果たす家族と社会の役割を探究している。

本年度研究紹介:

本拠点では、Allaisのパラドクス、Ellsbergのパラドクス、probabilistic reasoning、sunk cost課題など、古典的意思決定課題の個人差を調べることにより、人間の合理的、非合理的判断が、一般知能、論理的思考能力、パーソナリティとどのように関連するのかを明らかにしている。現在、1000名を超える成人双生児から郵送調査によるデータ収集を行い、分析を行っている。
遺伝子決定論でも環境偏重論でも決してなく、遺伝要因と環境要因がどのような相互作用を呈しているのか、実証的知見を積み重ねることにより、その複雑な様相をモデル化し、多変量分析から要因間の因果関係を解きほぐしていくことが、個人と家族、そして社会との関係を科学の俎上に載せて理解していく上で重要なプロセスであると考えている。これまでの研究は、いわば基礎的エビデンスの蓄積であったが、どのような社会が、どのような社会的形質を伝達させやすく(させにくく) しているのか、文化差に基づく遺伝や環境構造の相違を解明していくことができれば、社会の仕組みを読み解く一つの視座を得ることができると考え、現在、スウェーデン、イギリス、ドイツ、アメリカの行動遺伝学者、文化心理学者と国際比較研究を遂行中である。


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