赤林英夫

プロフィール:

教育経済学・家族の経済学を専門とし、教育政策の評価分析、家庭教育の経済モデルの構築等を行ってきた。我が国の教育政策においては、教育の事後的な評価を政策にフィードバックするシステムが決定的に欠けており、その根底には教育に関するデータの不足がある。そこで最近では、研究者が共有可能な、学校レベル・子どもレベルのミクロデータの構築に力を入れてきた。それらを用いた研究成果として、少人数学級の教育効果の推計、高等学校の授業料減免の効果の推計、日本初の研究用子どもパネル調査データを利用した、家庭が子どもの学力や心理に与える影響の分析などがある。
個人ページ: http://www.akabayashi.info/

本年度の研究紹介:

本年度は、サンプル数の増加により、より正確な統計的推定と検定を行うため、昨年度と同様のアンケートと実験調査を行う。同時に、できるだけ同じ親子ペアを対象にして調査を行うことにより、親の行動の子の異時点間の忍耐強さの変化への影響についても研究を進める。特に親が厳しいしつけの行動をするとき、子が忍耐強くなっていくことが理論的に予想されるので、アンケートでのしつけ行動の質問と、実験時の親の行動からそのような実証的な証拠が得られるかどうか調べる。

平成25年度の研究成果概要:

多くの人々は将来の効用と現在の効用を比べるときに、将来の効用を割り引く傾向があり、このとき用いられる時間割引率によって、経済行動は大きく異なってくる。時間割引率が小さい忍耐強い人は、教育投資や貯蓄を多くする傾向がある。家族という共同体の中で、親子で時間割引率が異なり、親子で好まれる経済行動に関して不一致がある場合、どのような思考と行動判断によって、家族の意思決定がなされるであろうか。その思考と判断に影響する要因はどのようなものがあるだろうか。また、そのような意思決定時の親の行動は、子の忍耐強さに影響を及ぼすであろうか。平成25年度は、これらのテーマを研究していくためのひとつの方法として、親子ペアを対象としてアンケートと実験調査を行なった。

平成24年度の研究成果概要:

多くの人々は将来の効用と現在の効用を比べるときに、将来の効用を割り引く傾向があり、このとき用いられる時間割引率によって、経済行動は大きく異なってくる。時間割引率が小さい忍耐強い人は、教育投資や貯蓄を多くする傾向がある。家族という共同体の中で、親子で時間割引率が異なり、親子で好まれる経済行動に関して不一致がある場合、どのような思考と行動判断によって、家族の意思決定がなされるであろうか。その思考と判断に影響する要因はどのようなものがあるだろうか。また、そのような意思決定時の親の行動は、子の忍耐強さに影響を及ぼすであろうか。これらのテーマを研究していくためのひとつの方法として、親子ペアを対象としてアンケートと実験調査を行なった。

班としての研究:

行動経済学の観点から、個人や家族を中心とする共同体が、どのように経済行動に関する思考と行動判断を行っているか、また、どのような経済政策が望ましいかについて、研究・教育活動を行っている。物質的満足に関する選好を外生的で安定的と仮定する伝統的経済学では福祉主義に基づく経済効率性によって経済政策評価が行われてきた。しかし行動経済学では選好が内生的で不安定であるとするため、徳倫理による政策評価の要素を福祉主義に加えて考察していくこと」が重要と思われる。規範を含む世界観がどのように経済行動、特に親の子に対する教育行動に影響しているか、また、その知見からどのような政策が望ましいと考えられるかを研究している。これらのテーマを研究していくためのひとつの方法として、親子ペアを対象としてアンケートと実験調査を行ない、一時点でのデータだけでなく、同じ親子ペアを追跡調査するパネル・データの構築を目指している。


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